シーバスの仕掛け完全ガイド！ルアー釣りから餌釣りまで初心者向けに解説
身近な海や川で狙える大型のフィッシュイーター、シーバス（スズキ）。その強い引きとゲーム性の高さから大人気のターゲットですが、狙い方は「ルアーフィッシング」だけではありません。イソメなどの餌を使った「電気ウキ釣り」や「ブッコミ釣り」でも、驚くほど簡単に釣果を上げることが可能です。
本記事では、これからシーバス釣りを始める初心者の方に向けて、代表的な「ルアー釣り」の仕掛けシステムと、手堅く釣果を出すための「餌釣り」の仕掛け3パターンを体系的に解説します。それぞれの特徴と必要な道具を理解し、自分のスタイルに合った釣り方で最初の一匹を目指しましょう。
ルアーか餌か？シーバス釣りのスタイル選択
シーバスを釣るためのアプローチは、大きく分けて「ルアー釣り」と「餌釣り」の2種類があります。まずはそれぞれのメリット・デメリットを理解し、どちらの仕掛けを準備すべきか検討しましょう。
ゲーム性重視なら「ルアー釣り」
プラスチックや金属で作られた疑似餌（ルアー）を使って、魚を誘うスタイルです。
- メリット: エサを用意する必要がなく、手軽に短時間でも楽しめます。自分の操作で魚を食わせる喜びがあります。
- デメリット: 魚がいる場所を探して移動し続ける必要があり、仕掛け（ラインシステム）を作るのに多少の知識が必要です。
確実性重視なら「餌釣り」
生きているイソメや小魚を使って、魚が食いつくのを待つスタイルです。
- メリット: 本物の餌を使うため、魚の食いつきが良く、初心者でも釣れる確率が高いです。特に夜釣りでの電気ウキ釣りは実績が高いです。
- デメリット: 生き餌の管理や購入が必要です。また、待つ時間が長くなる傾向があります。
【王道】ルアー釣りの仕掛け（タックルシステム）
現在のシーバス釣りの主流であるルアー釣りの仕掛けについて解説します。ルアー釣りの仕掛けで最も重要なのは、「PEライン」と「ショックリーダー」を組み合わせるシステムです。
基本構成図
- ロッド: 8.6ft〜9.6ftのシーバスロッド（MLクラス推奨）
- リール: スピニングリール 3000番〜4000番
- メインライン: PEライン 0.8号〜1.0号
- 結束部: FGノットなどの摩擦系ノット
- ショックリーダー: フロロカーボン 16lb〜20lb（約80cm〜1m）
- 接続具: スナップ（ルアー交換を容易にする金具）
- ルアー: ミノー、バイブレーションなど
なぜ「ショックリーダー」が必要なのか？
メインラインに使用するPEラインは、引っ張る力には強いですが、「擦れ」には非常に弱い素材です。また、伸縮性がないため、魚がヒットした瞬間の衝撃を吸収できません。 そのため、先端に擦れに強く適度な伸びがある「フロロカーボン製ショックリーダー」を接続することで、ラインブレイク（糸切れ）を防ぎます。これはシーバスルアーフィッシングの必須条件です。
【手堅く釣る】餌釣りの仕掛け3選
「どうしても釣れない」「まずは1匹釣ってみたい」という方には、餌釣りがおすすめです。代表的な3つの仕掛けを紹介します。
1. 電気ウキ釣り仕掛け（夜釣り・イソメ）
夜間に光る「電気ウキ」を使い、表層から中層を漂わせて釣る方法です。シーバスは夜になると浮いてくる習性があるため、理にかなった最強の釣法の一つです。
- 竿・リール: 磯竿3号・4000番リール（シーバスロッドでも代用可）
- 道糸: ナイロン3号〜4号
- ウキ: 電気ウキ 3号〜5号
- オモリ: 中通しオモリ（ウキの浮力に合わせる）
- ハリス: フロロカーボン 3号〜4号（約1m〜1.5m）
- ハリ: セイゴ針 12号〜14号、またはチヌ針 3号〜5号
- エサ: 青イソメ（房掛けといって、3〜4匹をたっぷりと針に付けるのがコツです）
2. ブッコミ釣り仕掛け（簡単・待つだけ）
オモリと針だけのシンプルな仕掛けを底に沈めて待つ釣り方です。底付近を回遊する大型シーバスや、日中の深場狙いに有効です。
- 竿・リール: シーバスロッドMクラス以上、または投げ竿
- 仕掛け: 中通しオモリ（15号〜20号）を通し、サルカンでハリス（4号〜5号）を接続。
- エサ: 青イソメの房掛け、またはユムシ、魚の切り身（サンマなど）
3. 泳がせ釣り仕掛け（大型狙い・活き餌）
現地で釣った小魚（アジ、イワシ、ハゼなど）を生きたまま針に掛け、大型シーバスに食べさせる方法です。「飲ませ釣り」とも呼ばれます。
- 仕掛け: ウキ釣り仕掛けをベースに、針を大きく（親針・孫針のセットなど）し、活き餌が自由に泳げるようにします。
- ポイント: エサが弱らないように丁寧に扱い、ドラグを緩めて待ちます。大型が掛かる可能性が最も高い釣り方です。
シーバス釣りで準備すべき必須アイテム
仕掛け以外にも、シーバスを釣り上げるために必ず用意しておくべき装備があります。
- ランディングネット（タモ網）: シーバスは口が薄く切れやすいため、抜き上げ（竿で持ち上げること）はバラシの原因になります。また、大型がかかった場合は物理的に持ち上がりません。柄の長さが5m程度あるものが堤防では便利です。
- フィッシュグリップ: シーバスの口には鋭い突起や歯があり、素手で持つと怪我をします。また、エラ蓋も鋭利です。魚を安全に保持するために必要です。
- プライヤー: ルアーや針を魚の口から外す際に使用します。手に針が刺さる事故を防ぐため、必ずプライヤーを使って外しましょう。
まとめ
シーバスの仕掛けは、狙うスタイルによって大きく異なります。
- ゲーム性を楽しむなら: PEライン＋ショックリーダーのシステムを組んだ「ルアー釣り」。
- 夜間に数釣りを狙うなら: 青イソメを使った「電気ウキ釣り」。
- 大型を一発狙うなら: 活きた小魚を使った「泳がせ釣り」または「ブッコミ釣り」。
初心者の場合、まずは道具が少なくて済むルアー釣りから入り、なかなか釣果が出ない場合に、電気ウキ釣りなどの餌釣りを試してみるのが、シーバスフィッシングの奥深さを知る良いステップです。まずは確実なノット（糸結び）を習得し、万全の仕掛けでフィールドへ向かいましょう。
FAQ
Q1. 初心者でも「反則級」に釣れるルアーはありますか？
「コアマン VJシリーズ（バイブレーションジグヘッド）」や「ダイワ セットアッパー」などが、非常によく釣れるため「反則ルアー」「神ルアー」と呼ばれることがあります。特にVJシリーズは、ワームのナチュラルな波動とバイブレーションのアピール力を兼ね備えており、ただ巻くだけで釣果が出やすいルアーです。
Q2. 昼間に餌釣りで釣れますか？
釣ることは可能ですが、夜間に比べると難易度は上がります。昼間のシーバスは障害物の陰や深場に潜んでいることが多いため、青イソメを使った「ブッコミ釣り」で橋脚の際や深みを狙うのが有効です。また、活きたエビ（シラサエビ）を使った「エビ撒き釣り」も日中の強力な釣法です。
Q3. ルアー釣りのリーダーの長さはどれくらいが良いですか？
標準的には80cm〜1.5m（矢引〜一尋）程度です。長すぎるとキャスト時に結び目がガイドに当たって飛ばしにくくなり、短すぎると魚体にメインラインが触れて切れるリスクが高まります。初心者は扱いやすい80cm〜1m程度から始めると良いでしょう。
Q4. 餌は何が一番釣れますか？
万能なのは「青イソメ」です。安価で入手しやすく、動きと匂いで強くアピールします。大型狙いなら「活きアジ」や「活きハゼ」が最強ですが、入手と管理の手間がかかります。また、「ユムシ」はエサ取り（小魚）に強く、大型狙いのブッコミ釣りで重宝されます。
Q5. 釣ったシーバスは食べられますか？
食べられます。白身で淡白な味わいの美味しい魚です。ただし、居付き（湾奥などに定住している個体）は水質の影響で臭みがある場合があります。回遊性が高く、綺麗な海域で釣れた銀色の個体（スズキ）は、洗い（刺身）やムニエルなどで美味しくいただけます。