【2025年版】おすすめのエギングリールはどれ?選び方を徹底解説

エギングでアオリイカを効率よく釣るためには、ロッドとのバランスが取れたリール選びが重要です。エギングは「シャクリ」と呼ばれる竿を上下に振る動作を一日に何百回も繰り返すため、リールには軽量性と操作性が求められます。
しかし、番手やギア比、ハンドルタイプなど選ぶべき要素が多く、「どのリールを選べばよいかわからない」という声も少なくありません。シマノとダイワでは番手表記の方法も異なるため、初心者の方は特に迷いやすいポイントです。
本記事では、エギングリールの基本的な選び方を「番手」「ギア比」「重量」の3つの視点から体系的に解説します。また、シマノ・ダイワ・アブガルシアなど主要メーカーの特徴を踏まえ、エントリーモデルからハイエンドまで価格帯別におすすめ機種を紹介します。当メディアでの検証結果も交えながら、あなたに最適な一台を見つけるための情報をお届けします。
エギングリールに求められる性能とは
エギングリールには、一般的なルアーフィッシング用リールとは異なる性能が求められます。エギング特有の釣り方に対応するため、軽量性、回転性能、操作性の3つが特に重要な要素となります。
エギングでは、エギをキャストした後にシャクリ動作を繰り返してイカを誘います。この動作は1日の釣行で数百回に及ぶこともあるため、リールの自重が重いと腕への負担が大きくなります。ダイワの公式サイトによると、シャクリ動作時にはリールに想像以上の負荷がかかるため、剛性と軽量性の両立が重要とされています。
また、シャクリ後に発生する糸フケ(ラインのたるみ)を素早く回収する必要があるため、巻き取り性能も重要です。糸フケが残った状態ではイカのアタリを感じ取れず、釣果に直結します。さらに、イカの身切れを防ぐためにドラグ性能も求められます。イカは魚と異なり、強い引きに対して身が切れやすいため、滑らかなドラグ調整ができるリールが有利です。
当メディアで複数のリールを検証した結果、エギング専用設計のリールは汎用リールと比較して、これらの性能バランスに優れていることを確認しました。
エギングリールの番手(サイズ)の選び方
エギングリールの番手は、2500番を基準に選択することが推奨されます。この番手は、エギングに必要な糸巻量を確保しつつ、軽量性と操作性のバランスが最も優れているためです。
番手とは、リールのサイズを表す数値であり、数字が大きくなるほどスプール径や糸巻量が増加します。エギングでは一般的にPEライン0.6〜0.8号を150〜200m程度使用するため、この糸巻量を確保できる2500番〜3000番が適しています。
ただし、シマノとダイワでは番手表記の方法が異なる点に注意が必要です。シマノは「C3000」のようにCが付くモデルがあり、これは「コンパクトボディ」を意味します。C3000はボディサイズは2500番相当でありながら、スプールは3000番サイズという設計です。一方、ダイワは「LT(ライトタフ)」コンセプトを採用しており、2500番と表記されていても従来モデルより軽量かつコンパクトな設計になっています。
具体的な番手の目安として、シマノでは「C3000」または「2500」、ダイワでは「LT2500」が標準的な選択となります。秋の新子シーズンで小型イカを狙う場合や、より軽量なタックルを好む場合は、シマノ「2500S」やダイワ「LT2500S」のシャロースプールモデルも選択肢に入ります。
エギングリールのギア比の選び方
エギングリールのギア比は、糸フケ回収を重視するならハイギア、繊細な操作を重視するならノーマルギアを選択します。現在のエギングシーンではハイギアモデルが主流となっています。
ギア比とは、ハンドル1回転あたりのローター回転数を示す数値です。一般的に、ギア比5.0〜5.5程度がノーマルギア、5.8〜6.2程度がハイギア(HG)、6.2以上がエクストラハイギア(XG・XH)に分類されます。ギア比が高いほど1回転あたりの巻き取り量が増えますが、その分巻き上げに必要な力も大きくなります。
ハイギアモデルのメリットは、シャクリ後の糸フケを素早く回収できることです。糸フケを迅速に処理することで、次のシャクリ動作にスムーズに移行でき、手返しが向上します。また、イカがエギを抱いた際のアタリを逃さずフッキングに持ち込めます。
一方、ノーマルギアには巻き上げが軽く、長時間の釣行でも疲れにくいというメリットがあります。また、巻き取りスピードが抑えられるため、スローな誘いが有効な状況では優位性があります。ダイワの担当者によると、エギングでは意外にもノーマルギアがおすすめとのコメントがあり、状況に応じた使い分けが理想的です。
初心者には、汎用性の高いハイギアモデルから始めることをおすすめします。糸フケ処理に慣れることで、エギングの基本動作を習得しやすくなります。
エギングリールの重量と剛性の選び方
エギングリールにおいて、軽量性は釣りの快適性を左右する最重要要素の一つです。一方で、シャクリ動作による負荷に耐える剛性も必要であり、両者のバランスが求められます。
エギングでは連続したシャクリ動作を行うため、リールの自重が直接疲労度に影響します。現行モデルの重量目安として、エントリークラスで200〜220g前後、ミドルクラスで180〜200g前後、ハイエンドクラスで150〜180g前後が標準的な水準です。
軽量化を実現する技術として、各メーカーは独自のボディ素材を採用しています。シマノは「CI4+」や「カーボン強化素材」、ダイワは「ZAION(ザイオン)」と呼ばれるカーボン樹脂素材を使用しています。これらの素材は従来の金属ボディと比較して軽量でありながら、必要な剛性を確保しています。
ただし、軽量化と剛性はトレードオフの関係にある面もあります。過度に軽量なリールは、大型イカとのファイト時やシャクリ動作時にボディがたわむ場合があります。そのため、上位モデルでは「モノコックボディ」(一体成型構造)を採用し、軽量性と剛性を高次元で両立しています。
当メディアでの検証では、自重が20g軽くなるごとに終日釣行時の疲労感に明確な差が見られました。特に秋の数釣りシーズンなど、シャクリ回数が多くなる状況では軽量リールの優位性が顕著です。
ハンドルタイプの選び方:シングルとダブルの違い
エギングリールのハンドルタイプは、シングルハンドルとダブルハンドルの2種類があります。それぞれに特性があり、釣りスタイルに応じて選択することが重要です。
ダブルハンドルは、かつて「エギングといえばダブルハンドル」と言われるほど定番の選択でした。ダブルハンドルのメリットは、ハンドルの回転バランスが安定しており、シャクリ動作後にハンドルを掴みやすい点です。左右対称の形状により、ハンドルがどの位置にあっても素早く巻き始められます。
一方、シングルハンドルは軽量性に優れています。ダブルハンドルと比較して自重が軽くなるため、タックル全体の軽量化に貢献します。近年は軽量化を重視するアングラーが増加しており、シングルハンドルの人気が高まっています。
選択の目安として、操作の安定性を重視する場合や初心者にはダブルハンドル、軽量性を重視する中〜上級者にはシングルハンドルがおすすめです。なお、多くのリールはハンドルを別売りのものに交換できるため、好みに応じてカスタマイズすることも可能です。
ハンドルノブの素材も快適性に影響します。EVA素材は軽量で握りやすく、ラバー素材はグリップ力に優れています。T型ノブは指先での繊細な操作に適し、ラウンド型ノブはパワフルな巻き取りに向いています。
主要メーカーの特徴と選び方
エギングリール市場では、シマノとダイワが圧倒的なシェアを占めています。アブガルシアも選択肢として挙げられますが、エギング専用モデルの展開ではシマノ・ダイワが充実しています。
シマノは「セフィア」シリーズをエギング専用リールとして展開しています。セフィアシリーズは、エギングに最適化された仕様が施されており、シャロースプールやダブルハンドルモデルがラインナップされています。また、汎用リールの「ヴァンキッシュ」「ステラ」などもエギングで高い人気を誇ります。シマノの特徴として、「マイクロモジュールギアII」による滑らかな巻き心地と、「HAGANEギア」による高い耐久性が挙げられます。
ダイワは「エメラルダス」シリーズをエギング専用リールとして展開しています。エメラルダスシリーズは、軽量性とレスポンスの良さに定評があります。また、汎用リールの「ルビアス」「イグジスト」「エアリティ」などもエギングで人気があります。ダイワの特徴として、「LTコンセプト」による軽量設計と、「ZAION」素材によるボディの軽量化・高剛性化が挙げられます。
アブガルシアは、コストパフォーマンスに優れたモデルを展開しています。「REVO ALX THETA」などは、価格を抑えながらエギングに必要な性能を備えており、予算を重視する方の選択肢となります。
価格帯別おすすめエギングリール
エギングリールは価格帯によって性能と品質に差があります。ここでは、エントリー(1万円台)、ミドル(2〜3万円台)、ハイエンド(4万円以上)の3つの価格帯別におすすめ機種を紹介します。
エントリーモデル(1万円台)
初心者や、まずエギングを試してみたい方には1万円台のエントリーモデルが適しています。
ダイワ「レガリス LT2500S-XH」は、実売1万円前後でありながらLTコンセプトによる軽量設計を採用したモデルです。自重約200gで、エントリークラスとしては十分な軽さを実現しています。ダブルハンドルモデル「LT2500S-H-DH」も用意されています。
シマノ「サハラ 2500SHG」は、同価格帯でHAGANEギアを搭載し、滑らかな巻き心地を実現しています。耐久性にも優れ、長く使える一台です。
ダイワ「レブロス LT2500S-H」は、1万円を切る価格ながらエギングに必要な基本性能を備えたコストパフォーマンス重視のモデルです。
ミドルモデル(2〜3万円台)
本格的にエギングに取り組みたい方や、中級者へのステップアップには2〜3万円台のミドルモデルが適しています。
シマノ「セフィアBB C3000SHG」は、エギング専用設計のエントリーモデルで、実売価格1.5万円前後ながら専用リールとしての基本性能を備えています。
ダイワ「カルディア LT2500S-XH」は、ZAIONボディを採用し、自重190g前後の軽量設計を実現しています。価格と性能のバランスに優れた人気モデルです。
シマノ「ストラディック C3000HG」は、「インフィニティドライブ」を搭載し、巻き上げ時のパワーロスを低減しています。剛性も高く、大型イカとのファイトにも対応できます。
シマノ「セフィアXR C3000SHG」は、エギング専用設計の上位モデルで、「マイクロモジュールギアII」と「サイレントドライブ」を搭載した滑らかな巻き心地が特徴です。
ダイワ「エメラルダスAIR LT2500S-XH」は、エメラルダスシリーズの軽量モデルで、自重180g前後を実現しています。
ハイエンドモデル(4万円以上)
最高の性能を求める上級者には、4万円以上のハイエンドモデルが選択肢になります。
シマノ「ヴァンキッシュ C3000MHG」は、シマノのフラッグシップ軽量リールで、自重145g(2023年モデル)という圧倒的な軽さを誇ります。「インフィニティループ」による密巻き機構を採用し、飛距離とライントラブル軽減を両立しています。
ダイワ「ルビアス LT2500S-XH」は、「エアドライブデザイン」を採用し、自重175g前後の軽量設計と高い操作性を実現しています。
ダイワ「エアリティ LT2500S-XH」は、フルメタルモノコックボディとZAION素材を組み合わせ、自重150g台という超軽量設計を実現した最高峰モデルの一つです。
シマノ「ステラ C3000MHG」は、シマノリールの最上位に位置するフラッグシップモデルで、全ての性能において妥協のない設計が施されています。
ダイワ「イグジスト LT2500S-XH」は、ダイワのフラッグシップモデルで、「エアドライブデザイン」の集大成として開発されています。
ロッドとリールの組み合わせ方
エギングではロッドとリールのバランスが釣りの快適性と釣果に直結します。適切な組み合わせを選ぶことで、一日を通じて快適にシャクリ動作を続けられます。
組み合わせの基本原則は、ロッドとリールの価格帯を揃えることです。エントリーロッドにハイエンドリールを組み合わせた場合、リールの性能を活かしきれず、逆にハイエンドロッドにエントリーリールを組み合わせた場合、ロッドの感度や操作性が損なわれます。
重量バランスも重要な要素です。エギングロッドは8〜9フィート(約2.4〜2.7m)が主流であり、このレングスのロッドと組み合わせる場合、リールは180〜200g程度が一つの目安となります。ロッドの重心位置とリールの自重が適切にマッチすることで、シャクリ動作時の疲労を軽減できます。
具体的な組み合わせ例として、初心者には「ダイワ エメラルダスX 83M」と「レガリス LT2500S-XH」、中級者には「シマノ セフィアXR S86M」と「セフィアXR C3000SHG」、上級者には「ダイワ エメラルダスSTOIST」と「イグジスト LT2500S-XH」などが挙げられます。
エギングリールのメンテナンス方法
エギングリールを長く快適に使用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。海水で使用するため、塩分による腐食や固着を防ぐことが重要です。
釣行後は必ず真水でリール全体を洗い流してください。シャワーの水圧は弱めに設定し、ラインローラー部分やハンドルノブ周りなど塩分が残りやすい箇所を重点的に洗浄します。水圧が強すぎると内部に水が浸入する恐れがあるため注意が必要です。
洗浄後は水気を拭き取り、直射日光を避けて陰干しで乾燥させます。完全に乾燥したら、ハンドルノブやラインローラー部分に純正オイルを少量注油します。ただし、注油しすぎるとゴミを吸着しやすくなるため、適量を心がけてください。
定期的なオーバーホール(分解清掃)も推奨されます。使用頻度にもよりますが、年に1〜2回程度、メーカーや専門店でのオーバーホールを行うことで、リールのコンディションを維持できます。特にギア部分のグリスは経年劣化するため、定期的な交換が必要です。
まとめ
エギングリールの選び方について、番手、ギア比、重量の3つの視点から解説しました。
最初の一台には、2500番クラス・ハイギア・自重200g前後のモデルをおすすめします。シマノなら「C3000SHG」または「2500SHG」、ダイワなら「LT2500S-XH」が標準的な選択となります。ハンドルタイプは、安定性を重視するならダブルハンドル、軽量性を重視するならシングルハンドルを選んでください。
予算に応じて、1万円台のエントリーモデルから始めて、エギングの楽しさを体験してから上位モデルにステップアップするのも良い選択です。シマノの「セフィア」シリーズ、ダイワの「エメラルダス」シリーズなど、エギング専用設計のモデルは最適化された仕様が施されており、快適な釣りをサポートします。
本記事で紹介した選び方のポイントを参考に、あなたの釣りスタイルに合った最適なエギングリールを見つけてください。
FAQ
Q1. エギングリールのコスパ最強モデルはどれですか?
1万円台で最もコストパフォーマンスに優れているのは、ダイワ「レガリス LT2500S-XH」とシマノ「サハラ 2500SHG」です。両モデルとも上位機種の技術を継承しており、初心者から中級者まで満足できる性能を備えています。2万円前後まで予算を広げられる場合は、ダイワ「カルディア」やシマノ「ストラディック」が性能と価格のバランスに優れています。
Q2. エギングリールの番手は2500番と3000番どちらがおすすめですか?
エギングでは2500番が標準的な選択です。シマノの場合は「C3000」もおすすめで、これはボディは2500番サイズでスプールが3000番サイズという設計のため、糸巻量に余裕を持ちつつ軽量性も確保できます。ダイワなら「LT2500S」がPEライン0.6〜0.8号を150m以上巻けるため、通常のエギングには十分な容量です。
Q3. エギングリールはハイギアとノーマルギアどちらがおすすめですか?
初心者にはハイギアをおすすめします。シャクリ後の糸フケを素早く回収でき、アタリを逃しにくいためです。ただし、ダイワの担当者によるとノーマルギアにもメリットがあり、巻き上げが軽く長時間の釣行でも疲れにくいとされています。状況に応じて使い分けられるよう、2台持ちするアングラーもいます。
Q4. エギングリールのシマノとダイワの違いは何ですか?
シマノは「マイクロモジュールギアII」による滑らかな巻き心地と「HAGANEギア」による耐久性が特徴です。ダイワは「LTコンセプト」による軽量設計と「ZAION」素材によるボディの軽量化が特徴です。どちらも高品質なリールを展開しており、好みや使用感で選んで問題ありません。実際に店頭で巻き心地を確認することをおすすめします。
Q5. エギングリールは専用モデルと汎用モデルどちらがおすすめですか?
どちらでもエギングは可能です。専用モデル(シマノ「セフィア」、ダイワ「エメラルダス」など)は、シャロースプールやダブルハンドルなどエギングに最適化された仕様が標準装備されているメリットがあります。汎用モデル(「ヴァンキッシュ」「ルビアス」など)は、シーバスやライトショアジギングなど他の釣りにも流用しやすいメリットがあります。
Q6. エギングリールの最強・最高峰モデルはどれですか?
シマノなら「ステラ C3000MHG」、ダイワなら「イグジスト LT2500S-XH」が各メーカーの最高峰モデルです。軽量性を重視するなら、シマノ「ヴァンキッシュ」やダイワ「エアリティ」も候補になります。これらのモデルは、巻き心地、軽量性、剛性、耐久性のすべてにおいて妥協のない設計が施されています。ただし、価格は5万円以上となるため、使用頻度や予算と相談して選択してください。