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16メタニウムMGL徹底解説。今も人気の理由と性能

2016年にシマノから発売されたベイトリール(両軸リール)「16メタニウムMGL」。2020年には後継機である「20メタニウム」が登場し、最新モデルもラインナップされている現在においても、この「16メタニウムMGL」は多くのアングラーから「名機」として愛され続け、中古市場でも活発に取引されています。

なぜ、16メタニウムMGLはこれほどまでに高い評価を受け続けるのでしょうか。それは、当時の技術革新がもたらした圧倒的なキャスト性能と、高い汎用性(はんようせい)のバランスが、現代の釣りにおいても一線級の実力を持っているためです。

この記事では、「16メタニウム」に関するさまざまな疑問—スペック、ブレーキ設定、歴代モデルとの比較、カスタムパーツの互換性、中古での選び方—について、客観的な事実に基づき体系的に解説します。

シマノ「16メタニウムMGL」とは

「16メタニウムMGL」は、シマノのバスフィッシング用ベイトリールの中核を成す「メタニウム」シリーズの7代目モデル(※シマノ公式の分類に基づく)として2016年に登場しました。

最大の特徴は、シマノのベイトリールとして初めて「NEWマグナムライトスプール(MGLスプール)」を搭載した点です。これにより、それまでのメタニウムシリーズと比較してキャスト性能が飛躍的に向上しました。「16メタニウム」と呼称されるモデルは、基本的にこの「16メタニウムMGL」を指します(2016年にDCモデルは発売されていません)。

高い剛性を誇るHAGANEボディと滑らかなマイクロモジュールギア、そして革新的なスプール性能を融合させたことで、「バーサタイル(万能)リール」の新たな基準を打ち立てたモデルとして、シマノのベイトリールの歴史において重要な位置を占めています。

16メタニウムMGLの主要スペックと技術特性

16メタニウムMGLの「名機」たる所以は、その革新的なテクノロジーの融合にあります。ここでは性能を支える核心技術と、モデルごとのスペックを解説します。

核心技術①:NEWマグナムライト(MGL)スプール

16メタニウムMGLの性能を象徴する技術が、低慣性(ていかんせい)を徹底追求した「NEWマグナムライトスプール」です。スプールの側面(サイドウォール)に「ブランキング」と呼ばれる穴あけ加工を施すことで、スプール自体の重量を大幅に軽量化。

慣性モーメント(回転し始めの抵抗)が従来比で約10%低減された結果、軽い力でスプールが瞬時に立ち上がり、軽量なルアーでも驚くほど伸びのあるキャストが可能になりました。

核心技術②:NEW SVSインフィニティ(SVS∞)

ブレーキシステムには、遠心ブレーキ(スプールの回転数に応じてブレーキ力が変化する仕組み)である「NEW SVSインフィニティ(SVS∞)」が採用されています。

このシステムは、内部のブレーキシュー(4個)のオン・オフで大まかなブレーキ力を設定し、外部のダイヤルで瞬時に微調整できるのが特徴です。MGLスプールの性能を最大限に引き出しつつ、バックラッシュ(糸がスプール上で絡まるトラブル)を抑え込む、幅広い調整幅と扱いやすさを両立しています。

核心技術③:マイクロモジュールギアとHAGANEボディ

巻き心地の核となるギアには、歯(は)を極めて小さく精密に仕上げた**「マイクロモジュールギア」**を搭載。ギア同士の噛み合いが非常に滑らかで、ノイズの少ないシルキーな巻き心地を実現しています。

また、その精密なギアを強固に支えるのが**「HAGANEボディ」**です。アルミニウム合金を採用した高剛性な金属ボディが、負荷がかかった際のたわみや歪みを抑え込み、アングラーの力を効率よく巻き上げトルクに変換します。

16メタニウムMGL スペック一覧表(ギア比別)

16メタニウムMGLは、巻き取り速度が異なる3つのギア比(ノーマル、HG、XG)で展開されました。

ギア比最大巻上長 (cm/ハンドル1回転)最大ドラグ力 (kg)自重 (g)スプール寸法 (径mm/幅mm)ナイロン糸巻量 (lb-m)
6.2 (ノーマル)665.017534/2212-100, 14-90, 16-80
7.4 (HG)795.017534/2212-100, 14-90, 16-80
8.5 (XG)915.017534/2212-100, 14-90, 16-80

出典: シマノ公式サイト(過去製品情報)に基づき作成

「名機」と呼ばれる理由:16メタニウムMGLのインプレッション分析

16メタニウムMGLが「名機」と呼ばれる理由は、多くのユーザーインプレッション(使用レビュー)において、以下の3点が共通して高く評価されているためです。

  1. 圧倒的なキャスト性能(飛距離と軽量ルアーへの適応力)MGLスプールの恩恵が最も顕著に表れるのがキャスト性能です。それまでのバーサタイルリールが苦手としていた7g〜10g前後の軽量ルアーも、低い弾道でスムーズにキャストできる点が絶賛されました。もちろん、10g〜20gクラスの定番ルアーの飛距離も格段に向上しています。
  2. ブレーキ設定の容易さとトラブルレス性能NEW SVSインフィニティは、一度内部のブレーキシュー(例:4個中2個をオン)を決めてしまえば、あとは外部ダイヤルの調整だけでほとんどの状況に対応可能です。「ブレーキ設定に悩まない」「バックラッシュが起きにくい」という扱いやすさが、初心者から上級者まで幅広く支持されました。
  3. 高剛性ボディと滑らかな巻き心地175gという軽量な自重でありながら、HAGANEボディによる剛性感が非常に高く、大型魚とのファイトでも安心感があります。加えて、マイクロモジュールギアによる滑らかな巻き心地は、ルアーの抵抗や水中の変化を感じ取りやすく、釣りの精度を高める要素となっています。

16メタニウムMGL ブレーキセッティングの基本

16メタニウムMGLの性能を最大限に引き出すには、「NEW SVSインフィニティ」の適切なブレーキ設定が不可欠です。

  1. サイドプレートを開けるリール側面のパーミングカップ(手のひらで覆う側のカバー)下部にあるロックを解除し、カップを回転させて開きます。
  2. 内部ブレーキシューを設定するスプール側面にある4つのブレーキシュー(初期設定では赤色)で基本のブレーキ力を設定します。シューを外側に倒す(押し上げる)と「オン」、内側に倒すと「オフ」になります。
    • 推奨設定: まずは4個中2個を「オン」にする設定が基本となります。
  3. 外部ダイヤルで微調整するサイドプレートを閉じ、外部にあるブレーキダイヤル(1〜6の目盛り)で調整します。
    • 調整の目安: まずはダイヤルを「4」〜「5」程度(強め)からキャストを開始します。
    • バックラッシュしないことを確認しながら、徐々にダイヤルの数字を小さく(弱く)していき、最も飛距離が伸びるポイントを探します。

風が強い時や、空気抵抗の大きいルアー(ビッグベイトなど)を投げる際は、内部シューを「3個オン」にしたり、外部ダイヤルを強め(5〜6)に設定したりすることで対応します。

歴代モデルとの比較:13メタニウム・20メタニウムと何が違うのか

中古市場での購入を検討する際、前後のモデル(13メタニウム、20メタニウム)との違いは重要な判断材料となります。

13メタニウムからの進化点

「13メタニウム」もSVSインフィニティを搭載していましたが、スプールは従来の構造でした。16メタニウムMGLへの最大の進化点は、前述の通り「NEWマグナムライトスプール」の搭載です。

これにより、13メタニウムでは投げにくさを感じた10g以下の軽量ルアーへの対応力が劇的に向上しました。キャストフィール(投げ心地)の軽快さ、飛距離の伸びは、16メタニウムMGLが明確に優位です。

20メタニウム(後継機)との違い

「20メタニウム」は、16メタニウムMGLの正統な後継機です。主な違いは以下の2点です。

  1. ボディ構造: 20メタニウムは、より高剛性な「コアソリッドボディ」(左右非対称の金属一体成型ボディ)を採用しています。これにより、剛性感や巻き上げの力強さは20メタニウムが上回ります。
  2. スプール: 20メタニウムは、さらに進化した「第3世代MGLスプール」を搭載。スプール幅が16メタニウムの22mmに対し、19mmとナロー化(細身化)され、より低慣性になっています。

一方で、16メタニウムMGLは自重が175gであり、20メタニウム(HG/XGモデルは175g、ノーマルギアは180g)と比較しても遜色ない軽さを維持しています。キャスト性能の「革命」を体感させたのが16、「完成度」を高めたのが20、と評価でき、価格がこなれた中古の16メタニウムMGLは、コストパフォーマンスの面で非常に魅力的な選択肢といえます。

16メタニウムMGLのカスタムガイド

16メタニウムMGLはカスタムパーツが豊富に流通しており、自分好みの一台に仕上げられるのも魅力です。

スプールの交換(夢屋・アベイル・K.T.F.)

スプールは互換性のあるパーツが多く存在します。

  • 夢屋 16メタニウム深溝スプール: シマノ純正のカスタムスプールです。標準スプール(12lb-100m)より糸巻量が増加(16lb-100m)し、太いライン(PEライン含む)を使いたい釣り(ロックフィッシュ、フロッグゲームなど)に対応します。
  • アベイル (Avail) / K.T.F. 浅溝スプール: サードパーティ製のカスタムスプールです。標準スプールよりもさらに軽量な浅溝設計になっており、交換することで3g〜5gといった、本来ベイトフィネスリール(軽量ルアー専用リール)が扱う領域のルアーもキャストしやすくなります。

ベアリングの追加・交換

スプールを支える「スプールベアリング」を高性能なものに交換することで、回転性能がさらに向上し、飛距離アップが期待できます。また、ハンドルノブの根元にあるカラー(プラスチック部品)をベアリング(サイズ:740ZZ)に交換する「ベアリング追加」カスタムも人気です。

ハンドル・ノブのカスタム

標準のハンドル長(ノーマル/HG: 42mm, XG: 48mm)やノブの形状が好みに合わない場合、社外品のカーボンハンドルや好みの形状のノブに交換することも可能です。

中古購入時の注意点とメンテナンス

16メタニウムMGLは中古市場での流通量が多いモデルですが、購入時にはいくつか確認すべきポイントがあります。

チェックポイント:「シャリ感」「ゴリ感」

ベイトリールの中古品で最も注意すべきは、巻き心地の異音や違和感です。

  • シャリ感: 「シャー」という乾いた回転音。多くの場合、ベアリングのグリス切れや、塩ガミ(海水使用による塩の結晶化)が原因です。ベアリング交換やオーバーホール(分解清掃)で改善する可能性があります。
  • ゴリ感: 「ゴリゴリ」というギアが擦れるような感触。これはメインギアやピニオンギアの摩耗が原因である可能性が高いです。この場合、部品交換が必要となり、修理費用が高額になるケースがあります。

海水(ソルト)での使用について

16メタニウムMGLは、HAGANEボディやS A-RB(防錆ベアリング)の採用により、海水での使用も可能です(シマノ公式サイトでも「ソルト対応」と明記)。シーバスやロックフィッシュにも使用できます。

ただし、使用後は必ず真水で丁寧に塩分を洗い流し、適切なグリスアップを行うことが前提です。メンテナンスを怠ると、前述の「シャリ感」や「ゴリ感」の早期発生に繋がります。

不要になった16メタニウムMGLや、買い替えで使わなくなった釣具の買取は、釣具買取専門店タックルラウンジにご相談ください。専門スタッフがその価値を正確に査定します。

まとめ

シマノ「16メタニウムMGL」は、革新的な「NEWマグナムライトスプール」を搭載することで、ベイトリールのキャスト性能を新たな次元へと引き上げた、まさに「名機」と呼ぶにふさわしいリールです。

  • 軽量ルアーへの高い適応力と、SVSインフィニティによるトラブルレス性能を両立。
  • HAGANEボディとマイクロモジュールギアによる、剛性感と滑らかな巻き心地。
  • 後継機(20メタニウム)と比較しても遜色ない基本性能を持ち、中古市場でのコストパフォーマンスが非常に高い。
  • カスタムパーツが豊富で、自分好みに「育てる」楽しみもある。

発売から年月が経過した現在でも、その実力は一線級です。これからバーサタイルなベイトリールを手に入れたい方にとって、16メタニウムMGLは最も信頼できる選択肢の一つであり続けるでしょう。

FAQ(よくある質問)

Q1: 16メタニウムMGLのスペック(重さ・糸巻量)は?

A1: 自重は全ギア比共通で175gです。スプール径は34mm、スプール幅は22mm。ナイロンラインの標準糸巻量は12lb(ポンド)が100mです。

Q2: 16メタニウムMGLのブレーキ設定のコツを教えてください。

A2: まず内部のブレーキシュー(赤色)を4個中2個「オン」にします。次に外部ダイヤルを「4」程度に設定して投げ始め、バックラッシュしない範囲で徐々にダイヤルの数字を小さく(ブレーキを弱く)して飛距離を調整するのが基本です。

Q3: 16メタニウムMGLと20メタニウムはどっちが良いですか?

A3: より高い剛性感と最新のキャストフィールを求めるなら「20メタニウム」がおすすめです。一方、完成されたキャスト性能と、中古市場での価格(コストパフォーマンス)を重視するなら「16メタニウムMGL」は非常に優れた選択肢です。

Q4: 16メタニウムMGLで軽量ルアー(5g程度)は投げられますか?

A4: 標準スプールでも7g程度から快適にキャスト可能です。5gクラスのルアーを多用する場合は、アベイルやK.T.F.などの社外品「浅溝フィネススプール」に交換(カスタム)することで、ベイトフィネスリールに近い感覚で扱うことが可能になります。

Q5: 16メタニウムMGLは海水(ソルト)でも使えますか?

A5: はい、シマノ公式で「ソルト対応」となっています。シーバスやロックフィッシュなどにも使用可能です。ただし、使用後は必ず真水で十分に塩分を洗い流し、定期的なグリスアップやオーバーホールを行うことが、性能を長く維持する上で不可欠です。

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