シーバスPEラインの選び方完全版！号数基準と最強おすすめモデル

シーバスフィッシングにおいて、ラインはアングラーと魚をつなぐ唯一の接点であり、釣果を左右する極めて重要な要素です。現在、シーバス釣りでは「PEライン」の使用がスタンダードですが、店頭には様々な号数、色、編み数（4本・8本）の製品が並んでおり、どれを選べば良いか迷ってしまう初心者は少なくありません。

本記事では、シーバス用PEラインの選び方を体系的に解説します。フィールド（釣り場）に合わせた適切な太さの基準、性能とコストのバランス、そして多くの釣り人から支持される「最強」のおすすめラインを紹介します。この記事を読めば、あなたのスタイルに最適なラインセッティングが見つかります。

シーバス用PEラインの太さ（号数）の正解

PEライン選びで最も重要なのが「太さ（号数）」です。細すぎればラインブレイク（糸切れ）のリスクが高まり、太すぎれば飛距離が落ち、風の影響を受けやすくなります。フィールドや狙うサイズに合わせた基準を知ることが重要です。

迷ったらこれ！万能基準は「1.0号」

これからシーバスを始める方や、港湾から河川まで一本で対応したい方には、「1.0号（約20lb前後）」が最もおすすめです。

• 理由: 強度と飛距離のバランスが最高です。70cmクラスの良型シーバスとも余裕を持ってやり取りができ、誤ってエイやボラを掛けてしまっても対応可能な強度があります。

港湾部・バチ抜けパターン：【0.6号 〜 0.8号】

足場の良い堤防や運河、または軽量ルアー（5g〜10g）を多用する繊細な釣り（バチ抜けなど）に適しています。

• メリット: 空気抵抗が少ないため、軽いルアーでも飛距離が出ます。風の影響を受けにくく、感度も向上します。
• 注意点: 擦れに弱いため、障害物周りでの強引なやり取りには向きません。ドラグ調整が必須です。

サーフ・磯・ランカー狙い：【1.2号 〜 1.5号】

広大なサーフでのフルキャストや、磯場、流れの速い大型河川で80cm以上のランカーシーバスを狙う場合に適しています。

• メリット: 重いルアー（30g以上）を安心してフルキャストできます。根ズレのリスクがある場所でも、多少の強引なファイトが可能です。

「4本編み」と「8本編み」の違いと選び方

PEラインには、原糸を編み込む本数によって主に「4本編み」と「8本編み」の2種類があります。それぞれの特性を理解して選びましょう。

コスパと擦れ耐性の「4本編み（X4）」

4本の原糸で編まれたラインです。

• メリット: 原糸一本一本が太いため、根ズレ（擦れ）に対する耐久性が比較的高いです。また、製造コストが安いため、価格が手頃（1,000円〜2,000円程度）でコスパに優れています。
• デメリット: 表面の凹凸が大きいため、キャスト時の糸鳴り（ガイドと擦れる音）が大きく、8本編みに比べると飛距離が若干落ちます。

飛距離と滑らかさの「8本編み（X8）」

8本の原糸で密に編まれたラインです。現在のシーバスフィッシングの主流です。

• メリット: 表面が非常に滑らかで真円に近いため、ガイドの抵抗が少なく飛距離が伸びます。糸鳴りも静かで、感度が高いのが特徴です。
• デメリット: 原糸が細いため、繊維一本単位での擦れには弱く、毛羽立ちやすい傾向があります。価格は4本編みよりも高価（2,000円〜4,000円程度）になります。

結論: 予算が許すなら、トラブルが少なく快適な「8本編み」の使用を強くおすすめします。

視認性と長さ（m数）の選び方

カラーは「視認性」を重視する

シーバス釣り、特に夜間（ナイトゲーム）においては、自分が投げたルアーの位置や、流れているコースを把握するために、ラインの色が見えることが重要です。

• おすすめカラー: ライムグリーン、ピンク、ホワイトなどの蛍光色や膨張色。
• ステルスカラー: グレーやグリーンなどの地味な色は、魚へのプレッシャーを減らす効果はありますが、夜間は人間からも見えにくいため、初心者には扱いが難しい場合があります。

巻き量は「150m」が基本

リールに巻く長さは、150mあればほとんどの状況に対応できます。

• 150m: 港湾、河川での標準。高切れ（キャスト時に途中で切れること）しても、残りの長さで釣りが続行できます。
• 200m: サーフで遠投する場合や、頻繁にラインをカットして結び直す場合は200m巻いておくと安心です。

シーバスにおすすめの「最強」PEライン5選

実績、強度、コストパフォーマンスに優れた、アングラーから絶大な信頼を得ているおすすめPEラインを紹介します。

1. YGK（よつあみ） / エックスブレイド アップグレード X8

「迷ったらこれを買っておけば間違いない」と言われるほどのド定番モデル。世界最高レベルの原糸を使用しており、同じ号数でも他社製品より一段階強い直線強度を誇ります。ハリとコシのバランスが絶妙で、トラブルが少ないのも魅力です。

2. シマノ / ピットブル 8+（プラス）

圧倒的なコストパフォーマンスで人気の「ピットブル」シリーズの上位版。特殊な製造工法（VT工法）により、繊維の編み込みが均一で、しなやかさと強さを両立しています。頻繁に巻き替えるアングラーにおすすめです。

3. 東レ / シーバスPE パワーゲーム

シーバス専用設計のパイオニア的存在。しなやかさが特徴で、リールへの馴染みが良く、キャストフィール（投げ心地）が抜群です。ライントラブルを減らしたい方におすすめです。

4. クレハ / シーガー R18 完全シーバス

「強さ」に定評のあるラインです。特に耐摩耗性能が高く、ストラクチャー（障害物）周りを攻める釣りで真価を発揮します。ステルスグレーのカラーは、日中の警戒心の高い魚に有効です。

5. ダイワ / UVF モアザン デュラセンサー×8＋Si2

耐摩耗性に優れた「マッスルPE」を採用。シリコンコーティングにより滑りが良く、耐久性が高いのが特徴です。ダイワのリール（ツイストバスター搭載機）との相性が抜群です。

忘れてはいけないショックリーダーの基礎

PEラインは「引っ張る力には強いが、擦れる力には弱い」という弱点があります。これを補うために、ラインの先端に「ショックリーダー（フロロカーボンやナイロンの太い糸）」を必ず結束する必要があります。

リーダーの太さと長さの目安

リーダーの太さは、PEラインの強度の「3〜4倍の号数」または「同等のポンド数」を目安にします。

PEライン号数	リーダーの太さ目安	リーダーの長さ目安
0.8号	12lb 〜 16lb（3号〜4号）	80cm 〜 1.0m
1.0号	16lb 〜 20lb（4号〜5号）	80cm 〜 1.2m
1.2号	20lb 〜 25lb（5号〜6号）	1.0m 〜 1.5m

素材は、根ズレに強く感度の良い「フロロカーボン」が一般的です。

まとめ

シーバス用PEライン選びの結論です。

• 太さ: 迷ったら「1.0号」。バチ抜け・港湾なら0.8号、サーフなら1.2号。
• 種類: 性能重視なら「8本編み」、コスパ重視なら「4本編み」。
• カラー: 夜でも見やすい「ライムグリーン」や「ピンク」。
• 長さ: 「150m」巻きを選べばOK。

まずは「YGK エックスブレイド アップグレードX8」の1.0号-150mから始めてみることを強くおすすめします。信頼できるラインを使うことで、キャストの不安がなくなり、釣りに集中できるようになるはずです。

FAQ

Q1. PEラインの交換時期はいつですか？

使用頻度によりますが、「色落ちが激しくなった時」や「表面が毛羽立ってきた時」が交換のサインです。毛羽立ちは強度低下の証拠ですので、見つけたらすぐに、その部分を含めて数メートルカットするか、全体を巻き替えてください。一般的に、週末アングラーであれば3ヶ月〜半年程度が目安です。

Q2. ベイトリールの場合も同じPEラインで良いですか？

太さの選び方が少し異なります。ベイトリールは構造上、細い糸だとスプールに食い込んでしまいバックラッシュ（ライントラブル）の原因になります。ベイトシーバスでは、最低でも1.5号、基本的には2.0号〜3.0号の太めのPEラインを使用するのが一般的です。また、ハリ・コシの強い4本編みの方がトラブルが少ない傾向にあります。

Q3. 高いラインと安いラインで釣果は変わりますか？

直接的に釣果が変わるわけではありませんが、「トラブルの回数」と「ルアーの飛距離」が変わるため、結果として釣果に影響します。安いラインはコーティングが剥がれやすく、ガイド絡みなどのトラブルが起きやすい場合があります。快適に釣りをするためには、ある程度信頼できるメーカーの中価格帯以上の製品を選ぶことをおすすめします。

Q4. PEラインの結び方（ノット）は何が良いですか？

シーバス釣りでは、強度と結び目の小ささのバランスが良い「FGノット」が基本にして最強です。最初は難しく感じるかもしれませんが、練習して習得する価値は十分にあります。どうしても難しい場合は、「SCノット」や、結束器具（ノットアシスト）を使用するのも一つの手です。